沖縄教育出版では、「いい言葉を知り、いい言葉を使うといい人生になる」という風土のもと、創業者の川畑自身がたくさんの人、本との出会いの中から感動した数々の言葉を壁に貼っていました。
その中にはこんな言葉もあり、新入社員の頃に教えてもらったものです:
「過去が咲いている今、未来の蕾でいっぱいな今」(陶芸家・河井寛次郎 氏)
過ぎ去った過去を憂えず、まだ来ない未来を不安がっても仕方がない。「今」を生きることを説く言葉でもあり、それはまた、「今」は過去の結果であり、未来の因でもある、と。
今夜紹介したいのは、『沖縄の先人たち』。

青く透き通るきれいな海、心地よい風、色とりどりの眩しい花々。沖縄の風土、美しい自然は、人を癒してくれる空間。その一方で、時には大きな台風に襲われ、限られた土地、資源のなか食料が乏しく、苦しい生活を続く時代も長く、しかもそれはそう昔のことではありません。
厳しくも優しいこの島で生まれ育ち、大陸との交流、交易で栄えるなどの知恵、たくましさ、朗らかさを持ち、独自の文化を育みながら、人々がよりよく生きることを模索し続けてきた先人たちがいます。
情熱の琉球歌人、移民の父、災害から沖縄を守った人、琉球古典音楽の祖、さとうきびの品種改良につとめた人……
そんな人々のドラマを、私たちはどれだけ知っているか?
沖縄の子どもたちに、「先人たちが、いかに力強く正しく生きたか」「郷土を愛する心」を育てる願いがこめられ、この本は企画されました。政治や社会のしくみ、経済、産業、学問、芸術、あらゆる分野から、沖縄の発展に尽くした21人の先人たちが紹介されています。
挿絵もあり、美しく優しいフォントに、行間(間)が子どもたちに読みやすい。大人から子どもたちへ読み聞かせの贈り物にも優れているデザインです。おじぃやおばぁから聞いたことがある、懐かしい話と感じる方もいるかもしれません。
ゆっくりと味わい読むことで、今ここに居ることに感謝が増す1冊。
◆ 沖繩の先人たち
昭和56年4月13日 初版発行
発行者:川畑 保夫
発行所:株式会社 沖縄教育出版
頁数:235ページ
ソフトカバー
定価:1,200円
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