今年第71回目の開催となる『沖展』が、3月23日から15日間行われ、昨日4月7日に閉会をむかえました。沖縄タイムスが主催する沖展は、戦後間もない頃にスタート。敗戦後、米軍の占領下にある荒廃した沖縄を「文化と芸術でなんとか元気にしたい。沖縄人であるアイデンティティと誇りを失わないでほしい」という念いからスタートした歴史と伝統のある美術展です。
若い新人さんの公募が減っていると耳にしたことをきっかけに、沖縄教育出版では2011年より微力ながらも支援させていただくようになり、優れた作品を手がけられた学生さんへ贈る「沖縄教育出版賞」を新設。今では「e-no株式会社賞」へと受け継がれています。
16才以上であれば、在住地は問わず誰でも応募できます。今年も799人もの出品があったそうです。県民からの応募は圧倒的に多く、親戚やお友達が作品を出しているからと、会場に足を運ぶ人も少なくなく、また、家族皆で訪れる恒例行事になりつつあるようにも感じられます。沖縄の春は、お花見よりも沖展へ。

沖縄の自然や、身近な暮らしの風景が描かれている作品、工芸部門では染や織り、陶芸、ガラス、沖縄ならでは逸品が並ぶ会場では、親しみや懐かしみを持ちながらユンタクする来場者。そんな会場でのわくわくを何度でも味わえる図録では、沖展会員さんから作品へのコメントもあり。よりじっくり、会場では気がつかなかった新たな視点でも作品の味わいをゆっくり噛み締めることができます。
◆ 第71回 沖展プログラム
2019年3月 発行
発行所:沖縄タイムス社 読者局文化事業本部
印刷:株式会社 東洋企画印刷
表紙デザイン:ウチマヤスヒコ
沖展ロゴタイプデザイン:宮城 保武・我喜屋 明正
写真撮影:LaLa Film’s (ララフィルム)
頁数:160ページ、協賛企業紹介
定価:1,000円