3月7日(木)
その後もやはり寒い沖縄。
自転車に乗りながら強風にさらされると
寒てく本当に哀しい気持ちになっちゃいます。
そんな切ない夜の帰り道、、
辿り着いたのはどこかの酒屋さんでした。

(「どこかの」とは言ったものの、実は国際通りの1本裏手)
見てください、「ご自由に試飲してください」。お店の外で、お店の人の目も届くのか届かないのかわからないような位置。ずいぶんオープンではないですか。やっぱり開放感がある沖縄は大らかで、いいですね〜〜

おぉぉ、意外にも、試飲している方、いらっしゃいますね? ちゃんと紙カップのゴミがたまっています。
古酒を大切にするから?沖縄ではウィスキーも熟成させるんですね。しかし、ウィスキーの味があんまりよくわかっていない私には、40年熟成の価値が、そこまでわからないまま、、

ほんのちょっと、舐めるような程度ですが、飲んでみました。
ほんのちょっとだったのに、カーッと胸のあたりが熱く燃えました。そして不意に最近読んだある小説のワンシーンを思い出したんです。『太陽の棘』(原田マハさん著)という実話をもとにした、沖縄芸術の心のドラマが描かれている小説です。そのなかで、戦後の動乱期、飲みすぎると失明や死にいたるという恐ろしいお酒が飲まれていたことが描写されていました。本当に怖いです。
でも、こんな風にお酒って、なにかをフッと思い起こさせる力がある気がします。
「あの頃はね…そんな時代だったんだよ」と薀蓄を語り、フラッシュバックをしながら…そうすることで、なおいいお酒、楽しいお酒になると思いますよ、とある泡盛酒造の蔵元のインタビューで伺ったことも思い出し、ほんの2〜3秒のうちに、こうして記憶がワッと静かに押し寄せてくるから、お酒って本当に不思議です。
ちなみに、蔵元曰く、ウィスキー、アクアビッツ、テキーラ、ピスコ、ピンガ… 世界にはいろいろなお酒があり訳すると「命の水」。それは、沖縄では「ぬちぐすい」=(命の薬)となるそうです。