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イラブー汁 姑の長寿支えた嫁のクンチ料理
2023.05.10

沖縄とんでもない物語・飲み物編 イラブー汁

姑の長寿支えた嫁のクンチ料理

 

「あ、想像していた味と違う。見た目は少しグロいけど。」「おいしい!」

中2の長男と小2の三男にとって人生初となる「あるもの」を一口すすった瞬間の第一声。

それは、琉球王朝時代には宮廷料理として珍重されてきた最高級の伝統料理の一つ「イラブー汁」。「飲み物編」として、今回はぜひイラブー汁を紹介したい。

イラブーに加え、ティビチ(豚足)、結び昆布が揃って、旨味とコクのあるスープ。(沖縄県南城市「海産物料理 浜珍丁」)

 

イラブーとは「エラブウミヘビ」や「エラブウナギ」と呼ばれる海ヘビの一種で、陸上のハブの70~80倍の毒があり、水だけで1年も生存できる強靭な生命力を持った生き物。現代においてはEPAやDHA、必須アミノ酸9種などが豊富に含まれていることが分かっているが、先人たちは滋養のある「ぬちぐすい」=「命の薬」であることを経験を通して知っていたのだ。

 

 

那覇市小禄に住む當間さん(70代)のお母さんは102歳でご健在だ。當間さんは子どもの頃、母が毎月のように高価なイラブーの燻製を市場へ買いに行ったのを覚えている。体の弱いお姑さんのためにイラブー汁を作るためだった。2~3日かけてグツグツ煮込む。「今の自分たちには作れないが、最高のご馳走でとっても美味しかった」と當間さん。

那覇市の市場では燻製のイラブーが手に入る。イラブーの燻製には棒状と渦巻き状がある。持ち帰りやすい配慮で渦巻き型が誕生したとの説も。(那覇市牧志第二公設市場「てるや」)

ある日、近所の猫に一瞬の隙をついてイラブーを持ち逃げされた。大らかなお母さんは怒るどころか大笑いして、その日また市場へ買いに行ったそうだ。戦後15年経っても、まだ病院も少なく薬も手に入りにくい時代。クンチ(根気・滋養)をつけてあげたいと家族の健康を願う母の愛と手間暇かけた料理の甲斐あって、お姑さんは長寿を全う。そのお陰だろうか、當間さんをはじめ6人の子どもたちも丈夫に育った。

県内でも限られた店でしか味わうことが出来ない一品をいただくため、南城市佐敷の馬天港にある「海産物料理 浜珍丁」に伺った。一般的には燻製を使うが、店主の嶺井敬子さんは海人(漁師)の友達に「生のイラブーで美味しく作れたらすごいよ」と持ちかけられ、挑戦。下ごしらえの後、煮込む過程で滋養のエキスを丁寧に出しつつも内臓がスープに溶け出して濁らないよう細心の注意を払う。臭みが出ないよう腸をしっかり取り除くことなどいくつもの試行錯誤を重ねた末に、この店だけの「生イラブー汁」が完成した。今では予約客が訪れるほど評判だ。

 

運ばれてきた瞬間、「うわっ!そのまんま」と顔をしかめる子どもたち。水族館で見たイラブーだ。私も意を決しスープを一口すすると、滋味深い味が体に染み渡る。生臭さはなく、鰹と豚の出汁、昆布が奥深さを感じさせてくれる。燻製のイラブーより皮は柔らかい。細かい骨を取りながら食べる身はパサつきもなく、血合い部分は少し苦味があるがブリにも似ている。イラブーの旨さを引き出す料理人の熱意と工夫がここにあった。

 

恐る恐る飲んだ子どもたちも満面の笑みで大満足。滋養が凝縮されたシンジムン(煎じた汁)を残さず飲んだ帰り道、一番沢山飲んだ三男はいつも以上にパワーが有り余り、鉄棒にうんてい、かけっこと公園で薄暗くなるまで動き回っていた。

見た目やイメージで敬遠してしまう人も多いが、それではあまりにも勿体無い!これからの梅雨入り、さらに夏本番に向けて、沖縄の滋養がギュッと詰まった一杯でクンチをつけてみませんか?

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海産物料理 浜珍丁(はまちんちょう)
所在地:沖縄県南城市佐敷津波古375−2
営業時間:11:00~20:00 
定休日:月曜日、日曜日
TEL:098-947-244(生イラブー汁は要予約)

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◆イラブーの滋養を毎日手軽にご自宅で摂り入れたい方は
イーノの「十割エラブウナギ」「ちゃげんきへのひと粒」もおすすめです。

 

 

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(お客様担当 あらかき・たみこ)

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