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熟成が魅力の「泡盛」
2022.12.05

正月は「家宝の古酒」で寿ぐ

 

沖縄では多くの家庭で子の誕生の時や、家の新築祝いに5升甕の泡盛を用意します。子の成長や一家の繁栄を願う「想い」が「家の宝」としての甕に託されます。

 

 

それは泡盛の大きな特徴に由来します。日本酒や焼酎と違い、熟成させるほど酒質が向上するところです。 10年、20年と歳月を経るごとに甘く芳醇に香りたち、口あたりもまろやかさを増します。アルコールと水が溶け合い、そこに微かな香り成分や土でつくられた甕からの物質も影響し熟成していくといわれます。

 

その歳月は暮らしにつながり、子の成人や進学、就職そして結婚を熟成した古酒がともに祝ってくれるのです。

 

3年以上熟成させた泡盛を古酒と言います。3年未満の泡盛は、どちらかというと新鮮な若さが刺激的に感じますが、10年、20年とより熟成されることで、味と香りが深まっていきます。飲む前の香りと飲んだ後に鼻からぬける香りが、私は好きです。割らずに生で少しずつ飲むとより香りがふわ~っときて楽しめます。吸う香りと、口に入れたあとに息をはく時の香りとでまた違う。古酒は時間がたつと空気に触れて香りが変化していきます。いいものは「余韻」が違います。

 

お酒好きなお坊さんが絶対に倒れない徳利を作ったところ「貸せ貸せ(カラカラ)」と評判になったのが名前の由来と言われています。

 

 

古酒造りに磨きをかけていることで知られる瑞泉酒造。創業明治20年(1887年)、那覇市首里崎山町で酒蔵を営み王朝時代の伝統の古酒造りを大切に守り、沖縄一の古酒の貯蔵量を誇ります。

 

瑞泉酒造佐久本武会長から以前次のような話を聞きました。

 

沖縄には「誕生酒」があると力説します。甕に子どもの名前を彫って、親は生まれた子が成人した時に一緒に飲もうと想って、ずっとそのお酒を大事に保管します。子の立場からすると、小学校中学校のときに見ても特別興味はないと思いますが、成人し親の立場になってみると「自分のことを想ってこの甕ををつくってくれたんだ…という、親の想いを感じるようになります」と話していました。「時間が想いも一緒に熟成させて古酒の味になる、古酒は人と人をつなぐ沖縄らしい文化です」と会長は魅力を語っていました。

 

お正月や家族親戚が集まったら開く甕。甕からカラカラや抱瓶(だちびん)に注がれ振る舞われます。

 

沖縄の暮らしの中で親しまれてきた泡盛。新年を寿ぐ時に家宝の古酒をいただきます。家族の健康づくりにも泡盛です。唐辛子やニンニクを漬けて料理の薬味にしたり、よもぎや蜜柑を漬けて家族の健康を守る薬用酒に。母の実家の冷蔵庫には、亡くなったおばーが漬けたニンニク漬けが大事に保管されています。最近はおしゃれな飲み方も人気です。ブルーの鮮やかなバタフライピーや金色のウコンなどの野草を漬けて、色や香りも一緒に楽しみます。私の一押しは、香りも味も甘く包まれるカラキ(沖縄ニッケイ)漬けです。

 

いろいろあった2022年、元気に過ごせたことを祝う席で、古酒を楽しんでみませんか。あるいは今から仕込んだあなただけのハーブとのコラボ酒で、新しい年の健康づくりもいいですね。

 

記事を書いた人:真栄里時愛(まえざと ときえ)

ご感想は、ayumi@e-no.comまで!

 

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うま味の王様「昆布」
2022.11.17

北の海の恵みが南の長寿の源に

結び昆布、クファジューシー(炊き込みご飯)、ソーキ汁。

 

どれも沖縄の食卓でよく登場する昆布を使ったメニューです。その中でも人気の昆布料理と言えば「クーブイリチー」。クーブは昆布、イリチーとは炒め煮のこと。細長く切った昆布に味付けした豚三枚肉を炒め合わせ、出汁でじっくり煮込む昆布が主役のおかずです。

 

沖縄では、学校給食にも登場するほど子供たちも大好き。お祝いの席の料理にも欠かせません。確かに昆布のキリッとした黒い色は、高級感漂う。お弁当に入れてもいわゆる「映える」おかずの一つです。

 

昆布というだけで料理の達人っぽい、下準備とか大変そう、と敬遠していましたが、「クーブイリチー」に初挑戦。長い昆布を均一に細長くきれいに切れるのか、と考えながら、いざスーパーの乾物コーナーへ。陳列された昆布の中に、なんと「刻み昆布」を発見。商品の裏面を見るとクーブイリチーレシピが書かれています。沖縄ではまさにクーブイリチーのために存在する「刻み昆布」があるのです。

 

近くのスーパーの昆布コーナー。お料理に合わせて様々な種類の昆布が揃っています。

 

そして作り方もシンプル。細長く切った三枚肉に糸こんにゃくや人参、水に戻した刻み昆布を混ぜ合わせて炒め、料理酒やみりん、だしを入れて煮る。昆布と三枚肉の旨味を十分に楽しめます。

 

煮しめたりソーキ汁などによく使われる結び昆布。お得意様担当、新潟出身のSさん。新潟では昆布でだしを取ったり、昆布巻きをお正月に食べるぐらいだったそう。沖縄に嫁いだばかりの頃、結び昆布を作る機会がありました。煮崩れしないよう強く結んでいると、ご主人の叔母さんから人差し指と中指を巻くようにして昆布を結ぶと程よい隙間ができ、結び目も固くならずに美味しく食べられると教えてもらったそうです。

上から時計回りに、クーブイリチー、ソーキ汁、玄米ジューシー

 

天然昆布の主な産地は北海道。昆布が採れない沖縄ですが、県民一人あたりの昆布消費量が全国平均上位と言われています。琉球王国時代に中国への輸出品として日本から取り入れ、それが料理に使われるようになったといわれています。

 

沖縄の昆布の利用方法は、中国と同様に他の材料と一緒に煮たり、炒めて食べることが中心。特に、イノシン酸を多く含む豚肉とグルタミン酸を多く含む昆布を一緒に料理すると、旨みの相乗効果で美味しさが飛躍的に増すなどの特色があります。

 

まるでリボンのような結び昆布は、沖縄の陶器によく似合います。

 

 

沖縄は長寿として知られていましたが、その背景には沖縄の伝統的な食生活がありました。その中でも食物繊維を多く含むなど栄養学的にも優れている昆布をたくさん食べていたからだと言われていましたが、その消費量も平成に入る頃から年々減ってきています。

 

11月15日は、子供達の健やかな成長を祝う「七五三」に合わせて制定された「昆布の日」。新しい昆布が市場に出回る今が旬である事と子供達に栄養豊富な昆布を食べてほしいという願いが込められています。私の昆布料理の挑戦は始まったばかりです。

 

この記事を書いた人:大城明可(おおしろ・さやか)

ご感想は、sayaka@e-no.comまで!

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どんな素材とも合うパパイヤ
2022.10.17

家族の健康を支える、「推し野菜」

 

沖縄ではゴーヤーに負けないくらい夏を代表する野菜のパパイヤ。旬の時期は、7月〜9月と言われているが、10月に入った今でも、庭でたわわに実っている姿をみかける。健康にもよく、個人的にも大好きなこの野菜が、「2022年食のトレンド予測スーパーフードランキング」で一位になったと聞き、「推し」がようやく注目されたようで嬉しくなった。

 

そこで沖縄ではどうやってパパイヤを食べてきたか、母を含めて70代以上の数人に聞いてみた。オレンジ色になるまで熟した状態の果物としても食されるが、今回は青い野菜として注目してみた。

 

ど定番は「パパイヤしりしりー」。細い千切り状にすりおろして人参やニラなども加えて、シンプルに塩とダシで味付けしながら炒めたもの。パパイヤイリチー(炒め)ともいう。味にクセのない青パパイヤは、醤油よりは、塩のほうが甘味が引き出されて合うとのこと。ダシをよく吸収して、全体的に薄味でも、組み合わされた素材の風味が生かされており、味わい深い。

 

続けて「パパイヤのおかず」。余談だが、沖縄の食堂には「おかず」や「みそ汁」で独立したメニューがちゃんと存在し、ご飯もセットになっているのが当たり前。それを知らずに「おかずとみそ汁、ご飯もね」と注文するとテーブルの上は…大変なことになるので気をつけていただきたい。

 

話を戻して「おかず」は、しりしりーではなく、薄切りにする。その他、人参やニラなどと炒める。豚肉を入れて塩味で整えてもいいが、70代以上の方のお勧めは鯖缶やツナ缶での味付け。どんな具材でも、まとまる。

 

「パパイヤは肉をやわらかくする」という話とセットで出てくるメニューが「パパイヤのおつゆ」。やぎ肉、馬肉、牛肉、豚のソーキ…味にクセがないパパイヤはどんな肉とも相性がいい。昆布や黄色い島人参を一緒に入れて煮込むのが定番だ。

 

「母乳の出がよくなる」とはよく知られた話で、パパイヤを食べると産後の肥立ちがよくなると言われている。実際、パパインという脂肪・タンパク質の分解酵素や、カリウムやカロテンを多く含み、消化吸収を助け、疲労を回復する働きがあるとされている。

 

タイ料理には生のパパイヤを生かしたサラダ「ソムタム」があるが、沖縄では生で食べる方法を聞いたことがなかった。が!灯台下暗し。今回、聞き取った中で、母から出てきたのが「パパイヤのなます」。「しりしりーして生でも食べたよ」とさらりと話す。「おじーが捕ってきた魚を、おばーが焼いて、身をほぐして、味噌と酢を入れて味付けしてたさ。若いやわらかい時だけだよ。しりしりーしたら生でもおいしく食べられたよ」と教えてくれた。

 

続けて「とにかく、おばーは物知りだったからね、健康にいいから、心臓にいいから、血のめぐりを良くするからとよく言っていたさ」と念を押すように話し、祖母にとってのパパイヤは家族の健康を支える重要な存在だったということがうかがえた。

 

私の「推し」は、祖母の「推し」だったことを知ったのが一番の収穫だった。

 

(記事を書いた人:川満美和子(かわみつ・みわこ)

シリーズ今が旬 小さな収穫を楽しむシークヮーサー
2022.09.16

「あー!シークヮーサーが食べたい!」

 朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」で主人公の暢子が、難題にぶちあたった時のセリフ。食べるといいアイディアが思いつくという効果があるのかはわからないが、シー(酸)をクヮーサー(食わす)という意味の通り、青切りのとても酸っぱい柑橘類で、やんばるの自然を代表する果樹。

 シークヮーサーの旬は、真夏。7〜8月に出回るが、今年は8月末〜9月にかけてスーパーに並び始めた。「今帰仁の駅そ〜れ」の方によると、「今年は日照不足だったからかねぇ、出てくるのが遅いさ。実も少し小さいかな。」とのことだったが、わたし的には味に大差はなく、やっと出てきた嬉しさのほうが勝っている。

 その理由が、この時期の朝の社内の光景にある。やんばる出身の宮城順子さんが、出勤してきて、「ほら、とってきたよ」と手に持っているのが、1粒のシークヮーサー。出勤の途中に見つけたと話す。もちろん、人様のものを勝手にとってきているわけではない。街路樹と街路樹の間などで見かけるらしい。鳥が食べて自然に落ちた種から自然に生えて育った様子で、なかなか他の人は気づかないそうだ。まさか、やんばるでもなく、那覇市でシークヮーサーが自然に生えているなんて誰も知らないのかもしれない。しかし、やんばるで鍛えた洞察力だろうか。順子さんは見逃さない。「あい、ここにあるねぇ」と見つけては「収穫」してきてくれる。それが3粒、4粒と「収穫量」が増えると最盛期なのかな、と旬を感じる。

 順子さんのシークヮーサーは、朝のすっきりドリンクに生まれ変わる。おしゃれに言えばフレーバーウォーター。シークヮーサーを、皮ごと種ごと絞ってピッチャーに入れて水と氷を入れただけ。もぎたてを使っているだけに、そこら中に爽やかな香りが広がる。暑さと湿度の中、出勤してきたみんなの喉と心を落ち着かせてくれる。 

 ちむどんどんのオープニングのアニメで、暢子がオレンジ色の果樹をもぎ取るシーンがある。あれは、シークヮーサーである。収穫せず、そのまま木に実を残し、カミキリムシにも食べられずに生き残り、秋が過ぎた頃、黄金色になる。市場ではあまり見かけないが、という響きだけで幸せな気分になる。そういう名前をつけた沖縄の先人のセンスに感謝してしまう。

 シークヮーサーのもう一つ変わった顔を紹介したい。シークヮーサーの花の蜂蜜だ。その白く小さな花には蜂も集まってくる。これは、沖縄の人でも、いや、沖縄の人こそ、「えっ」と驚く。 

 今帰仁村の玉城養蜂の玉城正富さんは、シークヮーサーの花の他に、イジュやフカノキの蜂蜜といった、やんばるの自然から蜂蜜を作っている。ひと口なめると、やんばるの大自然を飛び回る蜂のような気分になれるかも。

(お客様担当 かわみつ・みわこ)

夏だから沖縄の花は輝いて
2022.08.16

6月号で、沖縄のくらしと花々を紹介したところ「沖縄に行った時のことを思い出した」と懐かしむお声や、「季節のハガキを送ってほしい」とご要望をいただいています。  

 今年の夏は、予定していた旅を実行された方、諦めた方、様々でしょうが、今回のシリーズ「今が旬」は真夏の沖縄を訪れた気分になっていただきたいと「南の島の花だより2」をお届けします。

ゴールデンシャワー

 「この花を見ると一瞬で幸せな気分になる」と言いたくなる、ゴールデンシャワー。調べてみると本名はナンバンサイカチというらしいが、沖縄では別名の方で親しまれている。まさにその名の通り、まるで黄金色のシャワーを浴びているような、幸せが降り注いできそうな、黄色い5弁の花が真夏に咲きます。

 開花時期は7月〜9月で、例年は8月に最盛期を迎えていたように感じていましたが、今年は酷暑の影響か、7月に入ってすぐ、一斉に花を咲かせ賑わい始めたと思ったら、7月末には花が半分以下になっている木も。毎年同じように咲くわけではない、と思い知らされつつ真夏の青空と黄色のコントラストは暑さを忘れてとにかく幸せな気分にしてくれる夏の魅力ある花々のひとつです。

アラマンダ

 和名はアリアケカズラ(有明葛)。ハイビスカスと同様に、沖縄では、通年で咲いているような気がしますが、調べてみると開花時期は4〜10月。ツル性で場所に合わせてめいっぱい広がって咲いています。真夏はやはり迫力がすごく、「あれ、今咲いた?」と思わせるような勢いで、黄色と緑が目に飛び込んできます。沖縄では道路脇や中央分離帯、海岸に近い場所など厳しい環境でも咲いていて、土壌は特に選ばない強い植物のようです。

サンダンカ

 沖縄では「三段花(サンダンカ)」という呼び名の方を耳にしますが、「山丹花(サンタンカ)」とも言うそうです。通勤途中の道沿いや、街路樹などと一緒に低い垣根として植えられている様子をよく見かけます。実は沖縄の三大名花とは知りませんでしたが、庭園樹として昔から親しまれている花。意識していると玄関先でも勢いよく真っ赤に咲いたサンダンカに出会いました。

 こちらも開花時期は5月〜1月と、ほぼ通年といえる長さですが、真夏の今の時期は、真紅の色が青空にも映え「ほら、私、今が一番きれいでしょ」と言っているようです。

 毎年、この時期だけ咲くゴールデンシャワーの美しさに目を奪われていましたが、改めて目を移せば、時期の長いアラマンダやサンダンカも、真夏の姿はひときわ色鮮やかに輝いて見えました。やっぱり植物。旬があるんだな、と思うと今の時期しか見られないその姿が愛おしく思えてきました。これからも今だけの美しさを「季節のハガキ」に込めてお届けしていきます。

(お客様担当 かわみつ・みわこ)

シリーズ今が旬 夏に「涼」呼ぶ南国パイン
2022.08.08

「コクある甘酸っぱさ」は青春の味

「あの時は、あまりにもおいしくてびっくりしたさぁー」 6月半ば、店頭に甘酸っぱい香りを漂わせながら、今年もパインが並び始めた。母は、果物の中でパインが一番好きでこの時期を楽しみにしている。なぜ、パインが好きなの?と何気に尋ねたところ、学生時代の思い出を語り出した。

昭和18年生まれで今年79歳の宮古島出身の母が人生で初めてパインを食べたのは昭和36年、高校3年生だった。夏休みを利用して学費稼ぎのアルバイトとして、約130km離れた隣の石垣島のパイン缶詰工場へ。当時、宮古島ではパインは栽培されていなかった。石垣島にはパインという甘酸っぱい果物があるということを聞いてはいたが、どんなものか知らないまま初めての石垣島へ向かった。

茶色く硬い部分は多花果であるパイナップルの花びらや種の跡。一定方向に取り除き螺旋の縞模様になる。
パイン工場での仕事は、皮が剥かれ芯までくり抜かれて、筒状になってベルトコンベアに流れてきたパインから、手作業で周りの茶色く固い部分をナイフで取り除いていく。製品化には不向きと判断されてはじかれたパインが隅の方に寄せられ、「好きに食べていいよ」と言われていた。いよいよその瞬間が来た。母はその余ったパインを差し出され、初めて口にすると、想像を超えたおいしさに飛び上がった。 「何とも言えないジューシーさと旨さにびっくりした。コクのある甘酸っぱさだったよ。甘~いのに、ほど良い酸味。絶妙な調和だと思った。上品な香りと深い甘さ、酸味があるからクセになる。甘いだけだったらあんなに感動はしなかった」。母のパインの余韻は半世紀を過ぎても色褪せてはいない。気がつけば、酸の刺激で舌から血が出るほど夢中になって食べ、逆に周りを驚かせた。

「当時のパインは酸が強いから生食は不向きで甘さを加え缶詰にしていたんじゃないか」と話す人もいるが、実際どうだったのか。今は生果で流通され生食が当たり前になったパインの、沖縄における歴史を調べてみた。

石垣島では、昭和10年(1935年)から台湾からの移住農家によりパイナップルの本格的な生産が始まり、昭和13年には石垣市に缶詰工場ができ県外移出が始まったと言われている。その後戦争の打撃で一時中断されていたが、戦後、早くも昭和21年頃には栽培を再開、パイン缶詰は復活した。昭和35年にはサトウキビと並ぶ二大基幹作物として沖縄の経済を支える産業となった。 南国の果物をどうやったら全国へおいしいまま届けることができるのか?現在のように航空便はなく船で、保冷設備も十分ではなかった。バナナのように収穫後も糖度が上がるものではなく、収穫したらすぐに食べた方がおいしい果物。できるだけその感動をそのまま届けたく考え出されたのが缶詰加工だったようだ。現在は流通が発展し、収穫したばかりの旬の完熟パインがすぐに届けられ、南国のコクのある甘酸っぱさが全国で楽しむことができるようになった。 パインの品種改良も進んできた。その代表が「ゴールドバレル」。他の種類のパインと比べ糖度の高さがダントツで、これまでのパインの甘酸っぱさとはまた違い、とろけるような甘さに「これじゃないと」というファンも増えている。缶詰の時代も、生果の今も、沖縄が届けたいのは、旬の美味しさ。南国パインだけの「コクのある甘酸っぱさ」をこの夏、ぜひ味わってほしい。
ゴールドバレル = 金の樽という名前がつくほど上から下までぎっしり甘味がつまっている。糖度の高さはダントツで皮表面から蜜が滲み出るほど。

お客様担当 川満 美和子 (かわみつ・みわこ)

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シリーズ今が旬「温めもずくスープ」
2022.06.27

フコイダンはお得な食べ方があった

なんと、知らなかった。 「フコイダンって、温めたら効果がアップするからね~」 もずくに含まれる有名な成分「フコイダン」について社内で盛り上がっていたところもずくが大好きで、ほぼ毎日食べているというお客様担当の先輩がポロっと話した言葉を聞き逃さなかった。 「え、どういうことですか?」 聞けば、フコイダンの正体は水溶性食物繊維の一種で、海藻類のヌメリ部分のこと。加熱することで、それが溶け出し、体内に吸収されやすくなるのだそう。

フコイダンといえば、免疫力アップ、ガン予防、肝機能向上、毛髪・美肌効果など様々な効果があることが報告されていて、自然由来の健康食品として注目を集めている。

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、どちらもバランスよくとることが大切だと言われている。例えば、食物繊維といえば便通改善をイメージするが、不溶性は腸を刺激して、ぜん動運動を活発にするタイプで、水溶性は高い保水性と粘着力で便を柔らかくし排便をスムーズにするタイプ。また、水溶性食物繊維の方は、糖質の消化・吸収を穏やかにしたり、コレステロールの吸収を抑える働きなどもあるということだった。水溶性食物繊維であるフコイダンには実に様々な効果があると納得できた。

もずくとあさりのスープ
うどん好きにはぜひおすすめしたい「温めもずくのせ」。不足しがちな食物繊維が美味しくたっぷりとれる。

さて、幼い頃から食卓に並んでいたもずくの姿は、もずく酢。さっぱりとした酢ともずくの味の相性、また酢が体内の代謝をよくするという点からいつしか、酢の物で食べるのがいちばんいいものだと思い込んでいたが、そういえば、もずくの味噌汁も時々食卓に顔を出していたことを思い出す。「たっぷりヘルシーに食べられる」という点で、温めた汁物というのは、なんとも理想的じゃないか! 「そうだ、もずくスープにしてみよう」

早速、試してみた。温めた出汁にさっと洗った生のもずくを入れてひと煮たち。味付けは好みだが、あえて塩だけで整えた。 「おぉ~・・・海」 さすが、生のもずく。塩蔵タイプよりも、新鮮で磯の香りがすごい。 保存のための加工がされていない生もずくは、サッと洗うだけでいいのでヌメリ、つまりフコイダンを大切にすることができるのだ。 温かいもずくがお腹におさまっていく。麺類を食べているような満足感なのに、かなりの低カロリーに栄養満点。翌朝、水溶性パワーを実感した。 生もずくシーズンが始まった。今年は「温めもずくスープ」に夢中。

温まった生もずくをすすると新鮮な磯の香りが広がる。太もずくだけに歯ごたえもしっかり残って、食べ応えも十分。たっぷりねぎをのせて楽しむ。

お客様担当 川満 美和子 (かわみつ・みわこ)

【生の沖縄もずく 順次発送開始!】 旬の生もずく受付順に発送開始しました。 伊平屋産「早摘み生もずく」6月30日まで。(売り切れ次第終了) 0120-430-890(午前9時〜午後7時)

シリーズ今が旬[沖縄のもずくはなぜ太い?
2022.04.25

「おいしい…」

 糸もずくに出会ったのは十数年前に研修で訪れた新潟県。最初、目にした時は、そのあまりの細さに「やっぱりもずくは沖縄じゃないと太くならないんだな」と内心思った。

 しかし、食べてみるとまったく別物。沖縄のもずくは太くてブチブチ。東北のもずくは細いのにしっかりしていて、何よりぬめりがすごかった。「糸もずく」という名前だと後で知ったが、その時はあまり深く考えずおいしさだけを楽しんだ。

 イーノでは毎年旬の沖縄もずくを用意している。今年もその時期を迎え、改めて「なぜ、沖縄のもずくは太いのか?」を恩納漁協のさんに尋ねてみた。やはり最初に出てきたのは「品種の違いですよ」。

 単純に元々そういう品種で、「採れる時期も種も違う」と話す。

太もずく(別名:オキナワモズク)

どう違うのか?東北の糸もずくは1月〜2月の寒い時期に収穫され、南の沖縄もずくは3月〜4月、海水温が25度と高くなり暖かい季節になって最盛期を迎える。沖縄から北は隣りの鹿児島県奄美までの、琉球孤の海でしか採れないもずくなのだ。

 スーパーでは年中見かけるもずくだが、実は、ちゃんと旬がある。旬の沖縄もずくは、塩蔵とは違い生ならではの、新鮮でさわやかな磯の香りが食欲をそそる。特に早摘みされたもずくはなかなか流通されない貴重なものだが、新芽らしいシャキシャキ感がたまらない。

 沖縄もずくは、太さと歯ごたえを生かした調理法が多い。

 汁物にもするが、沖縄県民が大好きな沖縄天ぷらのもずくはかなりファンが多い。

3月〜4月に最盛期を迎える、沖縄もずくは、生で食べる酢の物の他、天ぷらや汁物など様々な食べ方を楽しむことができる。

独特の厚めの衣をまとって揚げられたもずくは、噛んだ瞬間にブチッとした歯ごたえ。

また、生の良さをいかした酢の物のほか、冷やしそうめんのように、つゆをつけて食すこともできる。

 糸もずくは外側にぬめりがあるのに対し、沖縄もずくは中が空洞になっているらしく、生に限らず熱を加えるなどさまざまな食べ方ができるのが魅力だ。 

 収穫の季節を迎えた沖縄もずく。旬の旨味がたっぷりつまった春の一皿、いや…三皿ぐらい楽しみたい。

この記事を書いた人 お客様担当 川満美和子(かわみつ・みわこ)

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