ハッピーイエローは冬場の人気者
沖縄の冬場のスーパーでは、鮮やかな黄色で目を引く「島ニンジン」が登場してます。その他、普通の赤やオレンジのニンジンも加わり彩りが映えて私たちの心も彩ってくれるようです。「島ニンジン」は 島言葉で、「チデークニ」(チは黄色、デークニは大根の意)と呼び、沖縄で 古くから栽培されてきました。ニンジン嫌いな人でも食べれるほど甘みが強 く、少し柔らかい肉質で炒め物などの火を通すと、さらに甘みが増すので美味しい!
10月~3月が旬で、ゴボウのように細長く一般的なニンジンと比べるとスマートさが際立っています。でも沖縄以外で育てると、黄色ではなく赤っぽい色になることもあるそうなんです。なんと不思議な!沖縄の塩分を含んだ地下水や潮風が影響していると言われています。
「島ニンジン」の魅力は、なんと言っても栄養が豊富なことです。カロテンや鉄分が多く含ま れ、免疫力アップや貧血予防に欠かせない要素です。加えてビタミンCとカリウムも。100gの中のビタミンCは、一般的なニンジンは6mgですが、なんと21mg!皮膚や血管の老化を防いだり、美肌へ導いてくれたり、生活習慣病への予防にも期待大!なのです。
それもあって冬の寒い時期に滋養たっぷりの野菜として、薬膳料理や家庭では定番の イリチー(炒め煮)やチャンプルーや煮物、チムシンジ(汁物)、天ぷら、漬物とさまざまな料理に使われてきました。
「島ニンジン」のおかげなのか、なんと那覇市は一世帯あたりのニンジンの支出額が全国1位 だったそうです(総務省の家計調査ランキング、2017年~21年) 。食卓に多く並ぶニンジン・シリシリも大好きですし、ニンジンは沖縄県民にとって欠かせない野菜なんです。
(沖縄のスーパーで見かけた赤、オレンジ、そして黄色のニンジンたち)
冬至の日(昨年は12月22日)には「トゥンジー・ジューシー」(炊き込みご飯)を作り、火の神(ヒヌカン=台所にいる神様)や仏壇にお供えをし、家族の健康と子孫繁栄を願う習慣があります。私の家でも7合炊きの炊飯器いっぱいに「島ニンジン」入りジューシーを作ったのですが、その日の内に家族6人で完食してしまいました。
(冬至の定番料理のジューシー。黄色のニンジンが味と見栄えのアクセントに)
〈渡嘉敷家の「トゥンジージューシー」レシピをちょっと紹介〉
①お米を洗ってザルに取る。②豚三枚肉は茹でて、5ミリ角にする。③島ニンジン、水に戻した干 し椎茸も5ミリ角もしくは千切りにする。④ひじきも水に戻して、適宜に切る。⑤炊飯器に1から4までの材料と出汁(豚の茹で汁とだし骨)、塩、醤油の調味料を加えて、普通のご飯と同じ要領で炊く。
お料理が苦手な方でも大丈夫!お米と一緒に炊き込むだけのレトルトやレンジでチンするだけの炊き込みジューシーもオススメです。
記事を書いた人:渡嘉敷光(とかしき ひかる)
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