沖縄とんでもない物語・飲み物編 ノニ(ヤエヤマアオキ)
不味くても飲みたい「奇跡の果実」
ある日の夕方、ミーティングも終盤に差しかかった頃、気分転換にと用意した濃い茶色の液体入りのグラスを半ば無理やり同僚に手渡した。先に口に含んだ井坂歩さんは「おー!ホッホッホ、うぁ~」とヘンテコな笑いが止まらなくなり、私は独特の香りが鼻に突いた瞬間「うわっ」と反射的にグラスを遠ざけてしまった。
この香りと味を何に例えよう。一瞬ブドウ酒のようにも感じるがもっと土臭くてツーンと鼻を刺激する独特の香り、強い酸味はパンチ力がありシークヮーサーの兄貴分並みで渋みが舌に残る。
さて、この飲み物の正体はいったいナニ? そう、「ノニ」だ。1990年代に「奇跡の果実」として有名になり、ご存知の方も多いのではないだろうか。和名ではヤエヤマアオキと呼ばれ沖縄にも自生している。その果実を発酵させて作るのがノニ果汁だ。東南アジアからオセアニア地方の島々に自生し、樹皮や根、葉、果実全てに薬効があることから、ポリネシアでは「神様からの贈り物」と呼ばれ、やけどや傷、発熱など様々な体の不調を整える民間薬として伝承的に用いられてきた。
近年の研究ではプロポリスやローヤルゼリー以上に豊富な栄養素が140種類も含まれていることが分かっている。ビタミン類やカリウムなどのミネラル類はもちろん、必須アミノ酸やポリフェノールなど多くの栄養成分が含まれ、生活習慣病の予防や免疫力アップが期待されるスーパーフードだ。
アメリカや日本でも脚光を浴びノニが大ブームとなった頃、沖縄のある集落では残念な出来事が・・・。防風林に良いと大々的にノニを植えていたが、イボイボゴツゴツした果実が見目麗しくないとの理由から一気に伐採してしまったそうなのだ。それは大ブームとなる一年前のことだった。この話をしてくれたのは、長年ノニの製造に取り組んでいる狩俣さん。本場のタヒチやフィリピン、インドネシアからの輸入果実に頼るしかなかった中で、狩俣さん達は県内でも早い20年前から宮古島で独自栽培を始め、沖縄県産のノニを提供している。
万人受けする飲み物ではないがコアなファンが多く根強い人気があるのも事実。お客様の関様(50代)は忙しい仕事の中、「医者いらず」だと信じて毎日飲む。橋本様(70代)は年に数回12本をまとめて購入され、体にいいから続けているとのこと。お二人とも口を揃えて「飲みにくい味だがだんだん慣れてくる」とおっしゃる。
もっと飲みやすくなればいいなと思い色々試した結果、私のおすすめは、りんごや野菜ジュース、牛乳、乳酸菌飲料などの「好きな飲み物割り」。最初の一口目はストレートで飲むのがポイント。後で、お好みの飲み物と混ぜると一気に飲みやすくなり、美味しいとさえ錯覚してしまうからだ。
これほど香りも味も不評なのに飲んでみたいと人気が高い飲み物はそうそうない。さまざまな薬効があるからこそ「良薬口に苦し」。皆さまも一度挑戦してみませんか?
参考)「イラストで分かるnoniの栞」 袁 世華 監修
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この記事を書いた人
(お客様担当 あらかき・たみこ)
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